主体性③ 現実の主人公 フィクションの主人公

フィクションの世界では、
『非日常で死力を尽くす人間がヒーローになる』。

現実では、
『何でも無い日常に全力を尽くす人間が成功者になる』。

何故、フィクションと現実は逆になってしまうのか?
答えは『その方が金になるから』だ。

利益を最大化しようとする初歩的な方法は、
『出来るだけ多くの人間に売る事』。

つまり『凡人』達を対象に多くのフィクション(商品)は作られる。

『どれだけ凡人達を気持ち良くさせる事が出来るのか』
が売り上げを決める。

非日常 (外部からの強制) の中で頑張るヒーローは、
現実感の希薄さが
『自分も危機的状況になればヒーローになれるのでは?』
という幻想を生み出し、
凡人達の頭の中に快楽を生み出すが、

日常の中で頑張るという行為 (内発的行動) は、
とても地味で絵にもドラマにもならない上に、
凡人達が最も嫌う行動であり、
『現実で大した努力もしていない自分と主人公』
を比較させられ、
快楽刺激を生み出さないどころか劣等感が刺激されてしまう。


夏休み最後の三日で宿題を全部終わらせる程度の経験しか持っていない凡人達は、危機的状況になればスーパーパワーが生まれ、自分も超人になれると幻想の自信を持っているが、

エアコンが利いている部屋で頑張れない人間は、
エアコンが壊れると何も出来ない。