カラスと人間

賢いカラスは公園などの蛇口を嘴(くちばし)で操作し、水を飲んだりするが、

蛇口を締めたりはしない。

賢い人間もまた同じで、

自身の欲望を満たす為の生産活動には非常に熱心だが、

その後始末には全く無関心だ。



カラスがゴミを漁(あさ)って迷惑だと、人間は目くじらを立てるが、

人間自身が環境を喰い漁っては、

「海の恵(幸)・山の恵(幸) ありがたやありがたや 自然に感謝・神に感謝」

と自己満足に浸るだけで、

後片付けなど一切しない。



自分達は際限無くなわばりを広げ、

ここは俺の土地だ! 固有の領土だ!!

と喚きたて、害獣だ! 侵略だ!!

と、あまりにも幼稚で自分勝手な「正義」を振りかざす。



「奪う」事に対する加害意識は果てしなく低く、

「奪われる」事に対する被害意識は異常に高い。



そして それを指摘されると人間は激しく逆上・拒絶する。

「人間は特別に知能の高い高等生物だ!!」と。


しかし、その行動・発言には知性の欠片(かけら)も無い。

ただ自己満足(猿の本能)が在るだけ。